山陽高等学校工学科は令和8年度文部科学省「DXハイスクール」に採択され、先端工学コース「課題研究」にて、一般社団法人宇宙エレベーター協会(JSEA)と連携した授業を通年で実施しています。今回は第4回の特別講義をZoomにて実施し、地球上での建設の難しさを克服するための「派生型モデル」と、月や火星など「他天体での宇宙エレベーター構想」について深く学びました。

授業の前半では、地球での本格的な宇宙エレベーター(エドワーズ型)建設の難しさと、その解決策について学びました。地球の強力な重力に対して10万kmもの強靭なテザー(ひも)を用意することは現代の技術では困難です。そこで、地表までテザーを届かせず、途中まではロケットや飛行機で昇る「スカイフック」構想など、実現に向けた多様なバリエーション(派生型)について学習しました。困難な条件に対して既存の枠組みにとらわれず、前提を変えてアプローチする柔軟な発想に触れました。
授業の後半では、地球より先に月や火星に宇宙エレベーターを建設し、技術やノウハウを蓄積するシナリオについて学びました。火星は重力が地球の約3分の1で建設しやすい反面、衛星(フォボスなど)が障害物となります。しかし、逆にその衛星を重心として利用しテザーを伸ばす「アンカー型」が有効であることを学びました。また、自転周期が長い月では、引力と遠心力の釣り合いが取れるラグランジュ点を活用するなど、各天体の特性(重力・自転周期・半径など)に合わせた最適解を導き出す工学的なアプローチを探求しました。
今回の授業を通じて、生徒たちは「条件が厳しければ前提を変えてみる」「環境の特性(障害物など)を逆手にとって活用する」といった、柔軟な課題解決のアプローチを学びました。 加えて、重力や自転周期といった天体ごとの条件の違いによって最適な構造がダイナミックに変化するという、物理学の奥深さと面白さを実感する機会となりました。今後の「課題研究」では、この学びを活かし、自分たちが直面した課題に対してどのように条件を設定し、モデル化して解決策のシミュレーションを行っていくかを自ら考え、実践していく探究活動へと進めていきます。
山陽高校では、今後も「DXハイスクール」を通じて未来の社会を創る技術者の育成に邁進してまいります。







