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「DXハイスクール」宇宙エレベーター協会連携授業 第5回―Excelによるシミュレーションで宇宙の物理を理解する―

山陽高等学校工学科は令和8年度文部科学省「DXハイスクール」に採択され、先端工学コース「課題研究」にて、一般社団法人宇宙エレベーター協会(JSEA)と連携した授業を通年で実施しています。今回は第5回の特別講義を遠隔にて実施し、身近な表計算ソフトである「Excel」を用いて、地球近傍の宇宙環境を自ら計算・検証するシミュレーション授業に挑戦しました。

授業の前半では、簡易版の「人工衛星の軌道シミュレーター」を作成しました。 本来なら極めて複雑な積分を必要とする軌道計算ですが、1分(60秒)刻みでその時の衛星の位置や重力の影響を順次計算して蓄積していくことで、簡易的に軌道を算出する仕組みを学びました。

地球の半径や質量、万有引力定数といった定数をもとにExcel上で運動方程式を数式として入力し、散布図グラフ上に地球を周回する人工衛星の円軌道を美しく描き出しました。数式を入力していくことで、グラフ上の衛星が地球の周りを安定して回り始める様子に、生徒たちは「Excelでこんなことできるんだー」と感心しながら取り組んでいました。

授業の後半では、「宇宙エレベーターシミュレーター」の作成に取り組みました。地表(高度0km)から高度11万6800kmの最上部までの各高度において、地球からの引力(重力加速度)と、地球の自転に起因して生じる遠心力がどのように変化するかを計算しました。クライマー(昇降機)内部の人間が感じる重力(G)を算出し、高度によって重力が刻々と変化していく様子を数値として具体的に確認しました。さらに、一定の高度を超えると、クライマーの「軌道速度」が地球引力を振り切るための「脱出速度」を上回り、燃料を使って加速しなくても、ただそこから物体を放出するだけで地球の引力圏を脱出して外惑星へ向かえるという物理的な仕組みを、計算したデータを通じて実感しました。

今回の授業を通じて、生徒たちは教科書で学ぶ物理法則や数学が、シミュレーションを通じて目の前でダイナミックに数値や挙動として再現される「物理学の奥深さと面白さ」を改めて体感しました。

また、専門的なソフトウェアがなくても、Excelという身近なツールを工夫して数式を組み込むことで、宇宙規模の現象を簡易的にモデル化し検証できることを学びました。前回の授業で考えた「自分たちが直面した課題に対してどのように条件を設定し、モデル化して解決策のシミュレーションを行っていくか」というアプローチを、実際に自分たちの手で構築して実践する、極めて教育効果の高い時間となりました。

今回のシミュレーションで得た科学的・工学的な検証手法を強力な武器として、成果発表に向けて、生徒一人ひとりが独自の視点で課題を発見し、解決に取り組んでいきます。

山陽高校では、今後も「DXハイスクール」を通じて未来の社会を創る技術者の育成に邁進してまいります。