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和太鼓部ポルトガル遠征 2日目

いよいよ今日からポルトガルでの本格的な活動が始まります。宿泊しているのはファロにある私立高校の校舎で、各教室に簡易ベットが運び込まれ、全チームがそこで寝泊まりします。日本チームは男子と女子に1階の教室が1部屋確保してあり、そこに太鼓と荷物を運び込んで生活します。高校なのでシャワーやトイレなど共同で使用するのですが、雰囲気はまるで合宿のよう。不便な部分はありますが、こんな生活も海外ならではのもの。朝は食堂でパンにチーズとハムを挟んで自分でサンドイッチを作ったり、シリアルに牛乳をかけて食べたりします。おかわり自由なのでおなかいっぱい食べられます。

今日の予定は植樹式典と夕方に宿舎の体育館で実施されるトルコチームとのワークショップがあります。朝食後に午前中に開催される植樹式典に向けて、アルゼンチンチームと一緒にバスに乗り込んでの移動です。バスの中ではスペイン語・ポルトガル語・英語・日本語が飛び交う中で、スペイン語独特の強いアクセントと勢いのあるしゃべり方に少し圧倒されつつも国際色豊かな車内の雰囲気に部員も徐々になじんでゆきます。バスを降りると全チームがメインステージのある会場に集合していました。

会場ではアルゼンチン・トルコ・コロンビア・スペイン・スロバキア・ポルトガル、そして私たち日本チームの国旗が用意してあり、国旗掲揚とともに各国代表が紹介され、平和の象徴である鳩が各国代表の手で放たれると一斉に拍手が鳴り響きました。

そして会場の一角に移動して、今年のフェスティバル開催を記念する植樹として各国代表により、少しずつスコップで砂がかけられ植樹が完了すると、拍手とともにフェスティバル独特の喜びのダンス(日本の3本締めの様なもの)がはじまりました。部員も最初は戸惑っていたもののすぐにメロディーと動きを覚えて一緒に踊る事ができました。終わった後はチーム入り交じっての記念写真で盛り上がり、再びアルゼンチンチームと共に宿舎に戻りました。

昼食を終えて少し学習時間として各教室で部員は宿題や英単語の暗記など、各自の課題に取り組みました。その後分解して持ってきた太鼓の台や4尺(120cm)の大太鼓を組み立て、今日のワークショップでの演奏準備に取りかかります。屋外の気温は30度位ですが、湿度が低く風もあるので日陰に入るととても涼しく、室内よりも過ごしやすいのです。
夕方6時まで体育館で通し練習をしたあと、トルコチームによるダンスのワークショップが始まりました。ダンスと言ってもまさにフォークダンス。マイムマイムのように全員で輪になって簡単なステップを踊るだけなのですが、不思議と笑顔があふれます。ヨーロッパではこうしたダンスは生活の中に今でも根付いているので、本当に盛り上がります。日本では味わう機会の少ないダンスを通しての交流は、きっと部員の国際交流の思い出として心に刻み込まれたと思います。トルコチームのワークショップは再びフェスティバルの喜びのダンス(勝手に命名)で楽しく終えることができました。

トルコチームと交代して今度は山陽太鼓がトルコチームに和太鼓をレクチャーする番です。トルコチームのダンスのおかげで心もほぐれていたこともあり、部長の司会進行も良い雰囲気でスムーズに進みました。ファロのフェスティバルに日本の和太鼓チームが来たのは初めてであり、まず最初に和太鼓の演奏を知ってもらうために、「赫々」(かっかく)の演奏を披露しました。和太鼓の音の大きさに驚きながらもその迫力に歓声で応えてくれました。さっそくワークショップとして太鼓と舞が一緒になっている「舞和勢」を見本演奏として披露し、リズム練習、所作の確認、実際に太鼓を使っての練習と、日本から同行してくださっているWFFM日本人スタッフのゆっこさんによる軽快な通訳のおかげで、トルコチームの皆さんもとても楽しんで参加してくださいました。

ワークショップの1時間はあっという間に過ぎ去り、いつの間にか打ち解け合うことができ、最後にみんなで記念写真を取り合うことができました。文化や習慣、言語の違いはあっても同じ人間として、お互いの文化を体験を通して理解し合い、同じ時間を共有することで、心を通じる瞬間があることを部員は身をもって学ぶことができたのではないかと思います。