圧縮空気エンジンプロジェクト



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圧縮空気エンジンプロジェクト

山陽高校機械科ではガソリン等の化石燃料を爆発させするのではなく、圧縮空気の圧力でエンジンを動かす「圧縮空気エンジン」の制作に取り組みました。このエンジンの動力源は身の回りにある空気を圧縮してタンクに貯め込んだ「圧縮空気」。エンジンを動かしても二酸化炭素などの排気ガスは一切排出しません。空気の圧縮のために使うコンプレッサーの電力も太陽光を使うなど、まさにエコ度100%の動力源です。プロジェクトの経緯をご紹介しますので、是非ご覧ください!

圧縮空気エンジンを作成するに至った理由


山陽高等学校が創立100周年を迎えた翌年に入学した現在の機械科2年生は、記念の年をきっかけに『機械科らしいことが何かしたい』と考えました。
入学当時の世の中の関心事は「地球温暖化における環境問題」と2008年7月に1バレル147ドルを超えた「原油価格の高騰」でした。1997年京都議定書の地球温暖化防止を受け、また2009年1月洞爺湖サミットと環境に向け、機械科生徒は『僕たちも何か環境問題に携わることができればいいのに』と考えました。
はじめは「ガソリン以外でエンジン動かそうや~。水でも空気でもゴミでも何でも良いじゃん」と安易に考えた仲間の発言がきっかけとなり、燃料を燃焼させずに動かすエンジンについて調べてみたところ、コンプレッサーで動かすエアーツールをヒントに空気でエンジンを動かすことに行きつきました。

太陽エネルギーの利用

環境を考えて空気でエンジンを動かすために、コンセントから電気を取っては意味がない!では、どうしよう?ここはストレートに太陽の恵みを利用したソーラー発電を使うことになりました。とりあえずソーラーパネルは思ったより安く購入できましたが、空気を圧縮するコンプレッサーを動かすためには200アンペア必要でした。この必要電力をまかなうために必要なバッテリーは、原油高騰により非常に高価でした。「よ・よ・予算が足りない。」しかし、機械科の保護者の協力により、大型バッテリー6個を貸していただけることになりました。とりあえず、電力は確保!

エンジン作成 第1号機


まずはエンジンの構造を理解することから始まりました。1年次は原動機についての授業がないので、週1回のロング・ホームルームと定期テスト最終日の放課後を使い、担任の先生がエンジンの仕組みを教えてくれました。でも僕たち機械科A組の担任は英語の先生、B組は体育の先生だったので、学級でも自主的に勉強会をすることで、夏休み明けには2ストロークエンジン・4ストロークエンジンの構造を何となく理解できました。その後、改造に使うためのエンジンが手に入らないかと考えていたところ、本校の先生の友人から50ccのエンジンを提供いただきました。空気エンジンに必要なその他のパーツをそのエンジン用に作成する計画も立てましたが、何せ僕たちにはその技術がないので、エンジン外部に取り付ける回転体で吸気の制御を計画し、旋盤の先生の指導のもと、パーツの作成に取り組みました。しかし昨年11月の文化祭には完全なものが発表が出来なく、研究発表に止まりました。

エンジン作成 第2号機


1年生後半になり、僕たちの旋盤技術も向上したので、今まで研究していた外部装置での回転体で吸気制御をするものではない、新たな第2号機の空気エンジンの作成に入りました。ここから我が機械科の杉田教祖(大変すばらしい技術をお持ちの先生なので、教祖と呼んでいます)も本格的に関わっていただくことになます。まずは動作の見極めのため、ラジコンエンジンを改造しました。『僕たちも取り組むぞ!』と、はじめのかけ声は良かったのですが、本校の旋盤は旋盤の精度が低く誤差があり、最終的には宮下君、通称工場長ことボス一人しか目的のパーツは作れませんでした。それでもそのパーツを使うことで既存のレシプロエンジンが空気で回り始めました。『ついにやったぞ!』の喜びを胸に、次は車かバイクにエンジンを載せることに挑戦です!

なぜ、電気自動車ではいけないのか?(空気エンジンにこだわる理由)


ソーラー発電したエネルギーを圧縮空気に置き換えてエンジンを回すことは、エネルギー効率から考えると当然無駄が多い!それでもなぜ圧縮空気を使ったエンジンなの?という疑問をもたれる方がいらっしゃると思います。答えは‥「男の夢」が無くなるからです。考えてみてください。排気音のしないF1!レースは、あの爆音があるからこそ胸踊り、面白いのではないでしょうか?音のしないフェラーリやランボルギーニにときめきはありません。空気エンジンはシリンダーで膨張した空気が排出される際に、ガソリンエンジン並の排気音がします。僕たちは排気音・エグゾーストノイズにこだわりたかったのです。ただそれだけです。

なぜ、充電した電力を使い圧縮空気を作る?


今回あえて電気モーターを使わなかった理由に「音が出ないから」と、冗談ぽく書きましたが、理由はまだあります。電力を蓄えるのためには「充電時間」と「バッテリーのコスト」がかかります。空気を蓄積する方法なら、蓄えた電力をその場で圧縮空気に変えるので(コンプレッサーを動かすためのに必要なもの以外の)バッテリーのコストが掛からず、もし大きな空気タンクがあれば太陽がある限り、常にエネルギーの蓄積ができます。つまり、車の使用量と蓄積量のバランスが取れれば、空気をエネルギー源とすることが、実用化できるのではないでしょうか。

なぜ、既存のエンジンを改造するのか?


今回の僕たちの目的は、いかにコストをかけずに地球環境を守るかでした。おそらく空気エンジンを一から開発するならば、多額の資金と開発にかかる時間に比例した量の化石燃料を使ってしまうと思います。しかし既存のエンジンの一部を改造するだけで使用可能になるエンジンができれば、大企業ではなく、小さな町工場でも作成が可能なのです。

まとめ

次世代エンジンのひとつとして挙げられる水素エンジンも、環境に対する影響の少ないエンジンだといわれていますが、僕たちは水素を多量に使うことに問題を感じます。今使われているエンジンのエネルギー源がすべて水素になると、廃棄物として空気中に多くの水分が放出され、地球環境に影響がありそうです。
僕たちの空気エンジンは、動力確保による副産物は一切ありません(排気音だけ?)。また爆発もしませんから熱を発生しないということで、ヒートアイランド現象緩和にもつながることでしょう。


実走可能な空気エンジンバイク。一つの到達点であり、僕たちの新しいスタート地点です。

圧縮空気エンジン搭載車両ムービー

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